住宅コラム

 

韓国の新築アパート
 

韓国の新築アパートの竣工開始には圧倒されます。一度に2000世帯が同時に入居開始だなんて日本では滅多にない規模です。ここでいう「入居開始」とは購入者が残額を全て払えばとの条件付きになりますので引渡の状況が日本とは大きく異なります。韓国ではアパートを購入すると建物引渡までに残金全額を支払わなければならないものではなく入居日までに残額を支払えば良い為、購入者は残額を支払うタイミングを計っています。その為その時期が各々ずれる為、残工事がいつもあちらこちらで発生しています。引越しも毎日やっている状況です。その為エレベーターの内部は引越しの荷物で傷を付けないように仮囲いしてあります。平均3ヶ月くらいは引越しの荷物対策で仮囲い状態。その上に近隣のインテリア会社、掃除業者、出前、家具業者の宣伝広告で異様な光景に思えます。日本から初めて家探しにきた日本人はびっくりしています。

また新築のアパートを見る場合も大変です。特にオーナーが残額を支払っていない場合、鍵の権利は当然分譲業者が持っておりますが多くの書類がないと物件を見せてもらえず、折角お客様が物件を見に来ても見れないケースも発生してきております。普通日本では賃貸として物件を見る場合はオーナーが残額を支払って初めて鍵をオーナーが保管し、その鍵を不動産会社に渡し賃借人が物件を見ることが可能ですし、上記のような状態ならば分譲業者は見せてもくれないでしょう。韓国の分譲業者は竣工しても未回収が多くあり、大変だと思うのですが、恐らく中間金を回収すれば元は取れているのではないかと思うほどです。

このように韓国では竣工時にオーナーの検査を受けオーナ-がサインすればすぐに残額を支払うという慣習がないのには韓国独自の事情があるようです。韓国では通常日本と同様にアパートを購入する際契約金を10%支払います。中間金は40%、残額が50%です。中間金は銀行から借入し、残額を賃借人の保証金から賄おうとしている為にチョンセ契約(賃借人から売買価格の50%~70%を預り毎月の賃料がゼロという賃貸借契約)があるとまで言われています。従って賃借人が何年かの後出て行くと今度は新たな賃借人からの保証金で保証金を返還しようとします。まさに自転車操業になるのです。

植木郁夫(スターツコリア)