「日韓交流おまつり2015」総評

おまつり実行委員会委員
おまつり運営委員会名誉委員長
高杉 暢也


●今年の「おまつり」の位置付けと準備

今年は「日韓国交正常化50周年」記念の年です。 それにも拘わらず両首脳会談もままならず、日韓関係は政治・外交面において相変わらず不透明な状況が続いていました。 700件以上の交流行事が準備されていた10年前の40周年記念の時と比べると、まことに悲惨ともいえる残念な状況にありました。 しかし、10年の歴史と実績を持つこの「おまつり」を「日韓国交正常化50周年」記念の最大の目玉にしようとメンバー一同心に誓い、スタートしました。

●今年の「おまつり」の運営とプログラム

この「おまつり」の心である「不易流行」と「易地思之」の精神をベースに、「国交正常化50周年記念」に相応しいプログラムを企画しました。 即ち、地方自治体交流、青少年交流、飲食物、衣服、遊戯具などの各種文化交流をたくさん盛り込みました。 40周年記念時のシンボルマークとスローガンを参考にした両政府の公式スローガン「共に開こう 新たな未来を」を「おまつり」のスローガンにも採用しました。 記念の年ですから9月19日(土)新村・延世路でのパレード、20日(日)はCOEX展示場での2日間にわたるパフォーマンスとしました。

9月19日(土)新村・延世路での舞台公演・パレード

第一日目の舞台公演・パレードは澄み切った秋晴れの下、新村・延世路で行われました。

この日のハイライトは朝鮮通信使のパレードです。 朝鮮通信使は室町時代から江戸時代に朝鮮王国から日本に送られた外交使節団のことで、特に江戸時代、日韓の間に争いのない平穏な約260年間が続いたのです。 そこに流れる精神は儒学者・雨森芳洲の説く「誠信交隣」です。

即ち、「欺かず、争わず、お互いが誠意をもって交わる」というまさに国際外交の基本方針とも言うべき精神です。 今日の両国の政治・外交に携わる者に、是非、この精神を理解してもらいたいと願って企画したものです。 数万人の観衆が見守る中、黄色の韓服のボランティア100人余で構成された朝鮮通信使は威風堂々と行進しました。 その後に日韓の民間団体が続き、独自のパフォーマンスを繰り広げました。 しんがりはSJCの東京から駆け付けたOBメンバーも加わる「よさこいアリラン」でした。

9月20日(日)COEX展示場での公演

第1部の「公式行事」はソウル日本人学校とソウル市少年少女合唱団による「日韓国交正常化50周年」祝賀公演でスタートしました。 あどけない日韓両国の少年少女の歌や踊りは見るものに感動と勇気をもたらしました。 田中運営委員長の開会宣言に続き、姜信浩実行委員長の後を引き継いだ朴三求実行委員長(錦湖アシアナグループ会長)の挨拶や尹炳世外交部長官、別所駐韓大使の祝辞などの後、記念特別公演として「Hidano Super Taiko Group & アマドイ・ジャラムバンド」が賑やかに日韓混合のパフォーマンスを演じました。

第2部「共に開こう」では、計画された地方自治体交流、青少年交流のプログラムが繰り広げられました。 青少年交流では、日本からは日野高校の「荒神神楽」、日本航空高校の「太鼓」、梅花女子大の「チアーリーデイング」、韓国からは「祥明ハンオルム舞踊団」、「ワイズバレエ団」、「ドラムラインRIM」の若さあふれる演技が演じられました。

地方自治体交流では、日本からは下関の貴重な伝統文化「下関平家踊り」、沖縄市照屋青年会に伝わる「照屋エイサー」、荒田流宝声会「津軽手踊り」、名前の通りアジア圏を中心に躍動するよさこいチーム「躍動」、「桜雪Ma-u」、「紅葉連」が、そして韓国からは済州特別自治道立舞踊団による「伝統の舞踊」が力強いパフォーマンスを演じ、最後は 日韓共演の「はなこりあ」が仲良く舞い踊りました。

第3部「新たな未来を」では、「日韓国交正常化50周年」特別公演として「 J-POP、 K-POPスペシャルコンサート」を開催、日本の指田郁也、韓国のEpik Highを招待しました。 当代人気の両国の特別ゲストに会場の若者からは興奮が沸き起こりました。

圧巻はフィナーレ公演<共に開こう新たな未来を>でした。

金徳洙さんの演出により、創価ルネサンスバンガードの豪華で華麗なバンド演奏に会場は一気に盛り上がり、続く「カンガンスルレ」、ハンウルリム「演戯団踊り」、SJCメンバーによる「よさこいアリラン」、加えて、エレクトリック・サムルノリでまさにビビンバ状態となり、会場は興奮の渦に巻き込まれました。 交流の歓喜は会場いっぱいに響き、両国の老若男女があたかも桜花と無窮花が咲き競うように踊り続けていました。

また、会場内のブースでは各地区の特産物、飲食物、伝統文化、衣服、遊戯などが展示され、体験コーナーも含めいずれのブースも大賑わいでした。 特に、今年度開設した飲食コーナーは大盛況でした。

 

●おまつりの評価と反省点

「日韓国交正常化50周年」記念としての今年の「おまつり」には若い男女を中心に予想を上回る約6万人の人々が集まり、「おまつり」は政治・外交問題とは縁遠いことを裏づけました。
・この成功の鍵は、「日韓国交正常化50周年」記念としての位置付けをメンバー全員が理解し、 地方自治体交流、青少年交流、 飲食物、衣服、遊戯具などの各種文化交流をたくさん盛り込む計画を立て、それらが確実に実行されたことでした。 加えて、天候に恵まれたことです。
・COEX会場での飲食が許される条例が発令されたことも昨年を上回る観客数の大きな要因でもあります。 やはり「おまつり」には飲食が伴わないと雰囲気が出ません。
・また、厳しい経済環境の中で昨年を上回る協賛金をいただくことができました。 ご協賛をいただいた企業や個人の皆様には、心より感謝申し上げます。
・昨年の尹炳世外交部長官の「おまつり」への参加は思わずのハプニングでしたが、今年は公式に参加され祝辞も頂戴しました。 日韓友好親善に大きな前進を感じることができました。

●来年以降へのおまつり

・この「おまつり」は単なる文化交流ではなく、地方自治体交流、青少年交流、飲食物、遊戯などの各種文化交流を含む複合文化交流です。
・両国民がお互いの文化や歴史や生活風習などを理解し合う場なのです。
・政治・外交問題とは一線を画す催しですが、両国間に長く漂う政治・外交問題にヒントを与える催しでもあるのです。
・両国の間にどんな悪天候があっても、常に進むべき方向を教えてくれる灯台の光のような「日韓友好のシンボル」としてまさにこの「おまつり」があるのです。
・多くの若者に「おまつり」の意義を伝承し、継続させていきたいと念じています。

「おまつり」にご協賛、ご協力いただいた皆様に感謝するとともに、これからも引き続きご理解とご支援をお願い申し上げる次第です。


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